クランクプーリーバラバラ事件!
2023年06月10日
どうもです!
梅雨真っただ中で台風までやって来ております。
大量に降る雨は止めて頂きたいですね。(-_-;)
とは言え天候の状況でどうなるか分からないんですが、
大雨の日は勿論。その後数日は山間部など走行されるのはキケンです。
皆様十分にお気を付けくださいませ。<(_ _)>
さて、今回ですが・・・
随分前にご紹介したことがあると思うのですが、
クランクプーリーの剥離です。( 一一)
エンジンはV50やS40・C30などに搭載される
2.0リッター4気筒エンジンです。
クランクプーリーとはエンジンのベルトが掛かる部分で、
主に発電機のオルタネーターやエアコンのコンプレッサーなどの駆動をしています。
ベルトには緩まないようテンションを掛けるテンショナープーリーが
別途あります。
そしてベルトには加重も掛かるし、振動なども加わります
これらを緩和する為にクランクプーリー自体にはダンパーが機能が備わっております。
画像をご覧頂くとプーリーの内側と外側に溝がありますよね。
このようにクランクプーリーは内外で分割されています。
実を言いますと、この溝は本来見えません。
この部分にはゴム製のショックを吸収する為のダンパーが有ります。
そう!画像のプーリーは壊れています。( ̄▽ ̄;)
では取り外した新品と並べてみましょう。
説明の必要は無いと思いますが、左が新品です。
右のは完全にゴムが飛び出して完全に剥離しています。
こうなってしまうと簡単に抜けてしまうような状態です。
新品の方はキッチリ収まっているのが分かると思います。
背面のギザギザ歯車はエンジンの回転信号を読むためのものです。
ここにチェーンなどが掛かっている訳ではありません。
そしてベルトが掛かっているのは縦方向からご覧ください。
この細かい溝にベルトが掛かっています。
このタイプはベルトが2本ですよ。
奥と手前にオルタネーター用とコンプレッサー用が
それぞれ掛かるようになっています。
並べると分かりますが、これだけズレてるんです。
これはプーリーを外した時の状態ですが、
完全に剥離してるので、まぁ好き勝手動いてしまってるんです。
回転部分にこれだけズレがあるとバランスも完全に崩れます。
エンジンが掛かるとそうとうな振動どヤバイ感じの音がします。
プーリーと車体のクリアランスがそんなに広い訳ではないので
フレーム部分に当たったりしてゴンゴン・・・・なんて音も(;´Д`)
そしてエンジンの振動は単純な振動ではなく、
エンジン自体の調子が非常に悪いように完全に不調かと感じるほどです。
まさかこんな事になって調子が悪くエンジンが止まるんじゃないかと
感じているなんて思わないですからオーナー様も怖かったと思います。
本当に音と振動は凄かったんですよ。(~_~;)
そんな訳でクランクプーリーは新品に交換することで完全に直ります。
同時にベルトやプーリーにウォーターポンプなんかも交換が必要です。
このエンジンはウォーターポンプもベルト駆動なんです。
偏芯したプーリーが高速で回転するので軸にかなりのダメージがあります。
そして、肝心のクランクプーリーですが・・・
ベルト外してパッと付け替え!なんていう訳にはいかないんですよね。
先ほども書きましたが、クランクプーリのギザギザでエンジン回転信号を
計測してるので、これをキッチリした角度で取り付けなくてはなりません。
そうなんです。
これね、クランクプーリを固定するために専用工具が必要なんです。
クランクプーリのボルトを少しでも緩めた時点でこの角度がズレます。
締めるときも専用工具が無いとズレますね。
クランクシャフトにはキー溝とか角度を固定するものは一切ないです。
これくらい自分でも出来る!なんて安易にさわるとエンジンが掛からなくなります。
まぁ、掛かっても絶不調でしょうね。(;^ω^)
気を付けてください。
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