ディーゼルスロットルバルブの不具合
2022年10月01日
どうもです!
今回は我々も初めての不具合なのですが、
ディーゼルエンジンにも電子制御のスロットルバルブがあります。
ガソリンエンジンとは違ってエンジン回転数の上げ下げを
している訳ではありません。
本来ディーゼルエンジンには不要な部品なのですが、
排ガス規制をクリアする為に排気ガス中の黒煙低減が主な役割です。
ですので、アクセルペダルとは全く連動していません。
バイワイヤリングだからとかでは無く、関係ないからです。(;^ω^)
排気ガス再循環装置の一部且つ主力になっているのですが、
エンジンにより多くの排気ガスを吸わせるべく、
スロットルバルブで閉じて経路を遮断し負圧を発生させる為の部品になっています。
昔のディーゼルエンジンには付いていない必要の無かったものです。
排気ガスも空気に触れなければススも発生し難いのですが、
これによって、インテークマニホールドとコレクタータンク内に
大量のススがこの場所で生成されています。
なので、スス取りは必要なんですよ。(;^ω^)
ちょっと話が外れましたが、
今回このスロットルバルブに不具合が起きてエンジンチェックと不調が発生しました。
ケースを開けていますが、開け閉めが出来ないように
リベットで固定されています。
今回は確認の為にリベットを外して開けてあります。
中央の大きめのギヤを外すと不具合の原因が理解することが出来ました。
これが抜き取ったギヤの内側です。
本来は赤のラインまで全てギヤなのですが、完全に無くなっています。
この歯が当たる相手側というと、
白い半分だけ歯が付いてるギヤになります。
この軸上にスロットルのバタフライバルブが付いています。
こちらの歯も見えにくいですが平らになって減っていますね。
ピンボケしてますが手前がモーターギヤです。
これで動かす先のギヤは空回りしているので、バルブの作動量が分からずに
エラーが出ています。
そして、排気ガスが遮断されないので、分かり易いのかどうか若干微妙ですが、
インタークーラーやエアーエレメントの方に排気ガスが流れる状況になっています。
こんな事でスロットル位置が不明状態でのエラー。
そして、不調は排気ガス循環時の燃料噴射量が合わない為に
起こっていたのでは無いかと推測しています。
新しいスロットバルブと交換することで症状は改善されました。
今回、弊社に入庫される前に別の整備工場へ持ち込まれていたので、
元のスロットルバルブの汚れ状態などが不明なままです。
おそらく清掃された後で私が点検していると思われます。
スロットルバルブもコレクタータンクもインテークマニホールドも
ススが取り除かれた状態でした。
なので、スロットルバルブのギヤがこのようになったのか?
ハッキリとした原因は分かりませんが、
おおよそ検討が付くのは、清掃されないまま大量のススが
バタフライバルブに付着し、重量増と動きを妨げて
ギヤを損傷させてしまったのではないかと考えます。
初めの方で少し触れましたが、スス取りは必要です。
ディーゼルエンジン車にお乗りのオーナー様は定期的な
スス取り作業をされる事をおススメします。